内向的な、あまりにも内向的な

内向的な性格な僕の思考

書評 1冊目『内戦の日本古代史』

内戦の日本古代史 邪馬台国から武士の誕生まで (講談社現代新書) 作者: 倉本一宏 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/12/19 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 総評 本書、内戦の日本古代史は日本の古代に起こったそれぞれの内戦の概要を概観し…

32冊目『理性の限界ーー不可能性・不確定性・不完全性

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) 作者: 高橋昌一郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2008/06/17 メディア: 新書 購入: 56人 クリック: 299回 この商品を含むブログ (177件) を見る 人生の中で読んだ本ベスト10をあげろと言われ…

31冊目『永すぎた春』

永すぎた春 (新潮文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1960/12/13 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 42回 この商品を含むブログ (46件) を見る 婚約をした1組の男女がその結婚までの期間に起こる危機を乗り越えて結婚に向かっていく…

30冊目『箱男』

箱男 (新潮文庫) 作者: 安部公房 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/05 メディア: 文庫 購入: 12人 クリック: 69回 この商品を含むブログ (226件) を見る かなり実験的な小説。安部公房氏の作品は基本的に難解な印象が強く、本書もそのような小説。 ダン…

29冊目『花ざかりの森・憂国』

花ざかりの森・憂国―自選短編集 (新潮文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1968/09/17 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 71回 この商品を含むブログ (90件) を見る 三島由紀夫のデビュー作『花ざかりの森』や賛否両論ある『憂国』な…

28冊目『メノン』

メノン (岩波文庫) 作者: プラトン,藤沢令夫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1994/10/17 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 25回 この商品を含むブログ (40件) を見る ソクラテスとメノンによる『徳』というものをめぐる対話篇。 徳は教えられるか?と…

高校生だった僕が『国盗り物語』を読んで絶望したこと

光秀は、誰にも漏らせぬ信長への憤懣もお槇にだけは掻き口説くように訴えた。藤吉郎を大気者といい、自分を陰気者といった信長の言葉も、お槇に伝えた。 「筑州めは、例のあいつの人蕩しの一手で、中国十州を五、六年で奪うと言上しおった。信長にはそれが好…

27冊目『V.T.R.』

V.T.R. (講談社文庫) 作者: 辻村深月 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/02/15 メディア: 文庫 クリック: 3回 この商品を含むブログ (8件) を見る 本書を読む前『スローハイツの神様(上下巻)』を読むことをオススメする。 本書は『スローハイツの神様』…

夫=良人だと思っている人はどれくらいいるのだろうか?

三島由紀夫の『美徳のよろめき』を読んでいて気になることがあった。 それがタイトルで書いたことなのだが、まずは引用から。 良人(おっと)の倉越一郎は、世間の男のするような愛の手ほどきをしてやり、節子は忠実にそれを習った。 三島の他の小説でもそうだ…

26冊目『美徳のよろめき』

美徳のよろめき (新潮文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1960/11/08 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (56件) を見る 上流階級の気品さを持った倉越節子婦人が青年、土屋との不倫関係になりその不倫の顛…

25冊目『さよならのためだけに』

さよならのためだけに【徳間文庫】 作者: 我孫子武丸 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2012/05/02 メディア: 文庫 クリック: 7回 この商品を含むブログ (11件) を見る あらすじ 内容(「BOOK」データベースより)「だめだ、別れよう」「明日必ずね」ハネ…

24冊目『人工知能の核心』

人工知能の核心 (NHK出版新書 511) 作者: 羽生善治,NHKスペシャル取材班 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2017/03/08 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る 人工知能に関する本は数冊ほど読んできましたが、本書がその中でも一番面白かった本…

23冊目『光待つ場所へ』

光待つ場所へ (講談社文庫) 作者: 辻村深月 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/09/13 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る 著者は辻村深月氏。 本書は著者の過去作で登場した登場人物の後日談だったり前日談を収録した短編集。 辻村氏の…

22冊目『他人の顔』

他人の顔 (新潮文庫) 作者: 安部公房 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1968/12/24 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (68件) を見る 液体空気の爆発で蛭のようなケロイドが顔に残ってしまった男が妻の愛を取り戻すために他人の…

21冊目『人間そっくり』〜もしも火星人と名乗る男が現れたら

人間そっくり (新潮文庫) 作者: 安部公房 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1976/05/04 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 181回 この商品を含むブログ (64件) を見る 自分は火星人だと名乗る人物がやってきたらどうするだろうか? おそらくどんな人もそん…

20冊目『ボクたちはみんな大人になれなかった』

ボクたちはみんな大人になれなかった (新潮文庫) 作者: 燃え殻 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/11/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る フェイスブックで元カノの名前を見つけて「友達申請」したところから物語が始まり、走馬灯のように彼…

2018年面白かった本ベスト5

5位 宴のあと 三島由紀夫著 新潮社 宴のあと (新潮文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1969/07/22 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 25回 この商品を含むブログ (51件) を見る 小説の芸術性よりプライバシー裁判で有名になった小説…

19冊目『笑う月』

笑う月 (新潮文庫) 作者: 安部公房 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1984/07 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 27回 この商品を含むブログ (59件) を見る 安部公房氏の本を紹介するのは今回で2回目になる。 ちなみに前回はこちら tukasa131.hatenablog.c…

18冊目『すばらしい新世界』

すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫) 作者: オルダスハクスリー,Aldous Huxley,黒原敏行 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2013/06/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (23件) を見る 『1984年』と比較されることが多く『1984年』と並び立つ傑作中の…

17冊目『教団X』

教団X (集英社文庫) 作者: 中村文則 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/06/22 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (8件) を見る たくさんの本を読んできたけれども自分の考えや思想信条が揺さぶられ問われる経験は意外と少ない。 重要なのはそういうも…

読書論的なこと

今週のお題「読書の秋」ということだそうで、それにまつわることを書きたいと思います。 僕は時折、読書術とか読書の方法論的な本を読むことがあります。 僕自身の読書方法がこれでいいのかと思うことがあって、そういうときにそういった本を読みます。 ただ…

16冊目『1984年』

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2009/07/18 メディア: ペーパーバック 購入: 38人 クリック: 329回 この商品を含むブログ (350件) を見る ビッグブラザーという支配者が率い…

15冊目『スマホを落としただけなのに』

スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者: 志駕晃 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 2017/04/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 現代社会にいる私たちは自分の個人情報を持ち歩いて生活している。 そして…

個人が個人を監視する時代へ

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2009/07/18 メディア: ペーパーバック 購入: 38人 クリック: 329回 この商品を含むブログ (352件) を見る 独裁国家によって洗脳と監視が行わ…

14冊目『ビブリア古書堂の事件手帖~扉子と不思議な客人たち~』

ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫) 作者: 三上延 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/09/22 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る 古書店の美しい女店主が本にまつわる謎解きをしていく話。 今回…

13冊目『小説家という職業』

小説家という職業 (集英社新書) 作者: 森博嗣 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2010/06/17 メディア: 新書 購入: 7人 クリック: 273回 この商品を含むブログ (103件) を見る 森博嗣氏の小説は『すべてがFになる』しか読んだことがない。 そして今回、紹介す…

何者でもないから何者かになることが求められる

何者でもなくて良かったあの頃 何者 (新潮文庫) 作者: 朝井リョウ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/06/26 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (24件) を見る 就活をしていたあの頃、自分は何者でもなく何を一体アピールすれば良いか全くわからなかっ…

秋の夜長におすすめの本

久々にブログを更新します。 10月も後半になって秋らしい季節になりました。 秋と言えば読書の秋です。 ということで秋の夜長にオススメの本を紹介したと思います。 小説 『すばらしい新世界』 すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫) 作者: オルダスハクス…

12冊目『限りなく透明に近いブルー』

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫) 作者: 村上龍 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2009/04/15 メディア: ペーパーバック 購入: 4人 クリック: 28回 この商品を含むブログ (37件) を見る 前回の記事で書いたけど、僕はこの小説を読んだ時ミスタ…

11冊目『何者』

【Amazon.co.jp限定】 何者 (特典:新潮文庫の100冊キュンタ 壁紙ダウンロード) 作者: 朝井リョウ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/06/26 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (24件) を見る 本書『何者』は朝井リョウが直木賞を受賞した作品。 朝井リ…