集中力なんかいらねえよと叫びたい
図書館で試験勉強をしようと思い教材を持ち込む。
図書館は勉強に集中するのには持って来いの場所のはずだ。
だけど、なぜか集中出来ない。
小学生くらいの子供が騒いでいるからだろうか?
違う。
そうじゃないのだ。
僕が集中出来ないのは試験勉強を邪魔する本が沢山、図書館にあるからなのだ。
気になる本があるとつい手にとってしまう。
そして本来、勉強するべき教材の勉強をせず気になった本を読み始めてしまう。
僕はそういう自分があまり好きではなかった。
だいたい時間が経って全然勉強が出来ていないと自己嫌悪に陥るのだ。
そういう自分の集中力のなさに免罪符を与えるかのような本が出ていた。
そしてこの本を手に取った。
森博嗣氏は小説家だ。
僕は森博嗣氏の小説は『すべてがFになる』しか読んだことがなく、むしろこの手の新書やエッセイの方を多く読んでいる。
独特の感性というか考え方が好きだ。
世の中で常識とされているようなことを疑い違う視点を提供していると思う。
本書もそうで集中力がある=善みたいな常識を覆していく。
本書も含めた森博嗣氏ののフィクションの特徴はあくまでも考えるため思考するための材料は与えるけど答えは自分で考えなさいというところにある。
そして本書を読んで自分自身の思考がどのようなものなのかが可視化された。
この本を読むまでは自分の集中力のなさに自己嫌悪を覚えていたりしたけど、結局のところそういう自分の集中力のなさということが自分の思考スタイルの一部なのだと思えるようになった。