9冊目『寝ても覚めても』
小説を手に取る時、人は何がきっかけでそれを手に取り買おうとするのだろう。
もちろんいろいろなパターンがあるだろう。
もともとその小説家を知ってるとか友達が進めてくれたとかドラマの原作だからとか。
私が本書を手に取ったきっかけは文庫本のカバーだった。
そのカバーを見た時、あの子じゃないかと思った。
カバーは小説が映画化されるらしくそれに合わせて映画のワンシーンを切り取ったものになっている。
カバーに写っているあの子は唐田えりかさんという女優さん。
彼女を知ったのはback numberの「ハッピーエンド」という楽曲のPVだった。
彼女の持つ雰囲気というか可愛らしさに惹かれてカラオケでもう何度もPV見たさで歌っている。
その唐田えりかさんがカバーに出ていたのがこの『寝ても覚めても』という小説だった。
このカバーを見てもうこれは買うしかないと思ってすぐレジに持っていた。
寝ている男(東出昌大)の顔を覗き込んでいる彼女の姿が美しいし可愛い。
小説の内容、裏表紙の書かれている内容をチラッと見ただけだった。
小説の内容なんて買う前の段階ではほとんどわからない。
だから人が小説を手に取る時、タイトルや書店のPOPあるいは本についている帯で判断するわけである。
読んでみてもちろん想像していたのとは違うということはある。
例えば、このブログでも紹介した『たぶん、出会わなければよかった嘘つきな君に』なんかはいい意味での読者への裏切りだった。
なのでどんなに優れた小説でも内容以外に魅了を感じなければ買わない可能姓はあるし逆につまらない小説でも表紙等で魅力を感じさせられれば買わせることができるということでもある。
このように考えると映画とのタイアップということを非難する向きもあるかもしれないが、私はそのことを非難する気にはなれない。