13冊目『小説家という職業』
そして今回、紹介する本も小説ではない。
森博嗣氏のこの手の本は面白くて何冊か読んでいるけどだいたい同じようなことが書かれている。
それでも手に取って呼んでしまうのはそこで書かれている森博嗣氏の思考というか考え方に惹かれるものがあるからだろう。
本書は小説家になった森博嗣氏がどのような経緯で小説家になったのかということを中心に出版界の未来や現状ということなどを語る。
本書はのっけから本書を小説家になるための方法が書かれていると思って手に取った読者に本書には具体的なノウハウは書いてないと宣言する。
なので森博嗣氏が本書で述べるように本書には小説の具体的な書き方なんかはほとんど書いていない。
もし本書を手に取った人が小説家になる具体的な方法を知りたいとか小説に具体的な書き方を知りたいと思っているのなら違う本を読んだ方がいいかもしれない。
森博嗣氏がどのような小説家なのかといことを本書から読み解くとすればそれは徹底したビジネスマンでありビジネスとして小説を書いているということだ。
小説のイメージとしてはビジネスマンというイメージよりも芸術家というイメージの方が近いと思うが森博嗣氏は芸術家タイプの小説家ではない。
ここか面白いところでありここが他の作家にはない森博嗣氏の独特な部分なのだと思う。
本書の中で小説家になることも難しい部分があるが小説家で有り続けることはもっと難しいと述べる。
そこで森博嗣氏がとった戦略が大ヒット作を一作生み出すのではなくそこそこ売れる作品を作り続けるというものだった。
そのためにシリーズものを多く書いたり作品の面白さをわざとセーブしたりして書くなどをしていたそうである。
このように森博嗣氏の小説家としてあり方は計算されたものと言える。