夫=良人だと思っている人はどれくらいいるのだろうか?
三島由紀夫の『美徳のよろめき』を読んでいて気になることがあった。
それがタイトルで書いたことなのだが、まずは引用から。
良人 の倉越一郎は、世間の男のするような愛の手ほどきをしてやり、節子は忠実にそれを習った。
三島の他の小説でもそうだが良人と書いて「おっと」と読ませている。
僕は三島の小説を読むまで恥ずかしながら「おっと」という漢字を「夫」しか知らなかった。
ちなみにこの『美徳のよろめき』で出てくるこの夫、倉越一郎だが「良人」の字に似つかわしく本当にいい人なのだ。
節子の体調が良くなければ心配するし暴力を振るったり節子を家に閉じ込めておくようなこともしない。
それどころか友達と旅行に行く(本当は不倫相手の土屋との旅行)のも全然許している。
僕はこの良人の字を見たとき果たして今の時代の既婚女性が夫を良人だと思っている人がどれほどいるのだろうかと思った。
まあそこは既婚女性の認識の問題ではないかもしれない。
ネットニュースで流れていたことだけれども男は仕事が早く終わっても家に早く帰ってこないそうです。
早く終わって帰れるのにわざと暇を潰して帰ってくる。
こんなことしていたら良人と思われないだろう。
男性も家事、育児に参加するようになってきたとはいえまだまだ認識が甘い部分があるかもしれない。
良人になるためにもその認識に甘さを改める必要があるのかなと思った。