内向的な、あまりにも内向的な

内向的な性格な僕の思考

28冊目『メノン』

 

メノン (岩波文庫)

メノン (岩波文庫)

 

 ソクラテスとメノンによる『徳』というものをめぐる対話篇。

徳は教えられるか?と問うメノンに対してそもその徳とは何にかという定義を問うソクラテス

 

定義は確かに大切です。

議論をする上で同じ言葉を違う範囲や定義で使ってしまうと議論にはなりません。

なのでここで教えられるか?と問う『徳』というものはそもそも何なのかということを予め考えることは重要だと思いますが、質問しているメノンに対して直接的には答えずはぐらかしてそもそも『徳』とは何かということをメノンに聞き返しているようにも見えます。

 

そういうソクラテスの態度は一一見すると真摯に問いに向き合っているように見えますがソクラテスのこういう論法がいささかペテン師くさく見えそういうところがソクラテスが死刑になってしまった一つの要因のような気がしてなかなか興味深いところです。