『JINー仁』
『JINー仁』については語りたいことが沢山あるが今回は前回も少し言及した欲望の肯定という話からドラマの紹介をしたい。
このドラマは才能ある外科医があることがきっかけで幕末の江戸にタイムスリップし現代医療の知識を駆使して幕末の医療を変えていくという話である。
このドラマの凄さはタイムスリップもの枠を超えていろいろなことを考えさせられるドラマだ。
今回、欲望の肯定という観点からドラマを紹介するが先程も述べてようにいろいろな視点からこのドラマを観ることができる。
ドラマの中心的なテーマはもちろん現代人が過去にタイムスリップしたことによって起こる歴史の変化やそもそも主人公は現代に戻れるのか?というところにあるけれども、このドラマは主人公がタイムスリップしたことによる変化みたいなものにも注目している。
その中でも主人公と関わっていくことになる坂本龍馬が主人公に言ったセリフがとても印象的だった。
龍馬は仁の仏のような態度(実際に仁は江戸の人々から神様のような扱いを受けている)をみて先生が心配だと言う。
それは国を憂いている志士でさえ国のためだとか口では言ってはいるが本音はもっと欲望にまみれているしかし先生からはそのような欲望を感じないと指摘しいつか先生は自分の命さえも簡単に投げ出しそうだと指摘した。
そして龍馬はそのような志士の姿は人間らしいと言いそれを肯定した。
幕末の志士は大体どのドラマや小説でもそういう側面からは描かれていない。
みな国を憂いて聖人君子のような描かれ方をされている。だからそのように幕末の志士を捉えたこのドラマは私にはとても新鮮に映った。
そして欲望というものを持つということをあまりよくないと思っていた私には欲望を持っていることが人間らしさに繋がるという視点が衝撃的だった。