15冊目『スマホを落としただけなのに』
スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 作者: 志駕晃
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2017/04/06
- メディア: 文庫
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現代社会にいる私たちは自分の個人情報を持ち歩いて生活している。
そしてそのことについてあまりにも無自覚だと言える。
そういう自覚のなさに潜む危険性を暴いた小説がこの『スマホを落としただけなのに』だ。
映画も公開されていて、北川景子が主人公役だ。
このキャスティングは成功だと思う。主人公の容姿、性格から北川景子のイメージにピッタリとハマる。
物語は主人公の彼氏がタクシーの中でスマホを落としたことから始まる。
それを拾った男は主人公を気に入り、彼氏のスマホをハッキングすることで主人公を監視する。
本書ではリアリティーのあるハッキングシーンがあり最後の解説でも指摘されているようにこういうふうにやれば本当にハッキングできてしまうのでないかと思えてくる。
またフェイスブックに対する主人公の最初見せていた警戒感とそこから使い始めてハマり始めていく過程やその中でだんだんと煩わしくなっていく様にはやはりリアリティがある。
この小説は身近に潜む危険を上手く表現した小説だと思う。